「今、選手と共有したのは『負け方もある、ビビっていたらサッカーできないよ』と、そこに終始していました。もちろん勝ちたいですし、0-4で負けるよりは0-1とかで負けたほうが、結果だけを見た人は『善戦したんだな』と思うかもしれないです。ただもう、負けは負けです。
その負け方というところで言うと、ビルドアップのところは、はっきり言って相手にはまりました。そのはまり方がもう、僕に言わせたら『無惨』です。無惨というのは、ポジションも取らない、ビビっている、視野が狭くなる、結局オープンで持てるところをオープンで持たないで、つけてはいけないところにつけてしまうという。だから、1個目の波に飲まれているんですよね。1個目の波を乗り切れば、2個目の波と3個目の波は遠くにあるのに、1個目の波に飲まれてそこで判断を迷ったり、判断を間違えたりして、全ていいほうではないほうに選択していたな、ということが正直あります。
我々はフリーの定義といって、(相手との距離が)1メートルまではフリーと言っています。ですから、前半もできたシーンはあったんですよ。5メートル、4メートルぐらいのところに来て、蹴ってしまっているのか、しっかりそこを剥がしにかかっているのか。剥がしているときはしっかり剥がせているんですね。でも、そこで逃げてしまっているからこのような惨状になったのかな、というところがあります。結局は、リスクを負わない。目先のリスクにどっぷり漬かってしまって、その先にいいものが落ちているのにそれをつかみに行かなかった、というのがこの試合の最大のポイントかなと思います。
本当にいい相手なのに、何をしているんだと。自分の力を測るのには素晴らしい相手ですよ。その相手に対してビビって、今まで築いてきたことを放棄している。それだけは僕は悔しい、という思いは選手全員と共有しました。もう、チャレンジしましょう、と。そこで何度もミスをしていたらそれは実力なので、そうしていたら試合に出られません。でも、そこを逃げて何かを得られるかと言ったら絶対に得られないので、そこに対して我々には百年構想リーグから築き上げているものがあります。そこのゲームモデルのところから逃げない集団、逃げないでもう一皮剥けられる集団になれるように、今日のこの教訓をしっかり胸に焼き付けて、中2日ですぐ栃木シティFC戦が来ますので、そこで本当に今日の悔しさを持って戦っている選手をしっかり抽出して、その20名で戦ってまいりたいと思います。そういうゲームでした」
【質疑応答】
(相手が曺 貴裁監督仕込みの、あれだけのプレスのスピード、強度を持って来たことでかなり難しい部分もあったと思うが、相手の強度やスピードに対してはどのように感じたか?)
「前半は空いていました。結局、第1波は非常に来ていたのかなということはあって、そこで見えるところにつけられませんでした。スペースはありましたし、穴もできていました。でもそこを見られなかった、もしかしたら見せないようなプレスの圧力がピッチの中ではあったと思いますし、それがサッカーの難しさではあります。
ただ、ベンチから見ている限りそういうものはありましたし、映像も確認すると、しっかり空いているところに立てないときもありましたし、そこをまずは見えない。見えているけど放棄しているところが散見されたなと思っています」
(ハーフタイムに杉田 隼選手から秦 樹選手、アダイウトン選手から岩崎亮佑選手に交代した。おそらくプレー時間もあっての交代だと思うが、彼らを入れた狙いと、ハーフタイムでの指示は?)
「プレー時間の限定というところは、正直ありました。やはり、あれだけプレッシャーが来ているので、少しフレッシュ感も持ちたかった、というところもあります。
じゃあ、なんで浦和があそこまでプレッシャーに来られたかといったら、取れるからなんですね。1発目で取れちゃう、2発目で取れちゃう、そりゃあ来ますよね。じゃあ、そこの1発目、2発目さえ剥がしてしまえばもう来られなくなるのに、そのチャレンジをしなかった。それが90分間あのプレッシャーが続いたひとつの原因かな、というところはありますので、そこをへし折りたかった、というのもあります」
(アダイウトン選手以外は若い選手が多く、後半開始直後のメンバーは平均年齢23歳を切っていたと思うが、今日の試合で、彼らが得られていればいいと思うものは?)
「チャレンジしなかった悔しさをバネにしてほしいです。なぜチャレンジしないんだと、その一言に尽きると思います」
(前半の失点についてはGKからのスタートがらみのミスもあったと思うが、GKだけのミスではないと思う。後ろのポジショニングや、受ける準備もからんでというところなのか?)
「おっしゃる通り、もちろんミスもあるかもしれないです。止める、渡すの部分のミスもあるとは思います。判断のミス、そこにつけなくていいときにつけてしまったというミスもあると思います。
ただ、それ以上にボールを受けるタイミング、受ける動きはしているんですよね。ただ、隠れている時間が長い。ジャストのタイミングで動きを止めて受けられる位置にいないところ、あとはスペースを作っているのにそのスペースに来ないから行き詰まってしまう、というところがありました。
スペースを作るためにわざわざ遠くにいたり、わざわざ近づいたりしているのに、そのスペースを見ないで近づいているところに出してしまったり、あえてライン間に落とさないで遠ざけているところで、1on1のところに出してしまったり、というところ。あとは背後を全く取れなかった、この3点かなと思っています」
(後半にメンバーを入れ替えた中で、前半よりは勇気を持ってボールを動かそうという姿勢は見られたと思うが、ハーフタイムにはどういうふうにそれを伝えたのか? また、4点目を決められたことは残念だと思うが、そこまで失点せず、攻める時間も作れたことをどう評価しているか?)
「後半は『もう1回、勇気を持ちましょう』と。言い方は悪いですけれども、3点取られていて失うものはないですから、なりふり構わないでやるしかない、というところです。そこで蓋をしっかり開け放ったのかな、というところはあります。
でも、もっとできなければいけないのに、後半が始まって15分ぐらいから、また尻すぼみになっていったなという感じもしました。なぜかと言えば、横や後ろに下げるパスが多くなったことです。もちろん、前の動きがなかったこともありますけれども、やっぱり自分で止めて前を見られない、プレッシャーが来ていると思ってしまい、まずは後ろに下げようと、ファーストチョイスがそのマインドだったのかな、と僕は思います。
そこで勇気を持ってオープンに持ったり、ワンタッチで差し込んでみたり、そういう予測や準備の段階で負けていたのかなと思っています」
(相手がなめてかかってきて、それを一回かわしてやると、相手もかわされると思ってしまうのでは?)
「おそらく、なめてかかってきてはいないです。相手が本気で奪いに来ているからこそ、そこでひとつかわせば次の相手が来ますので、そうするともう芋づる式に全部ずれていくのに、その1つ目が怖くて下げてしまったり、1つ目が来たから逃げてしまったりというのは、そこで本気のヤツがマタドール(闘牛士)のようにいなしてへし折ることができたら、景色は全て変わったのかな、と思います。自分で剥がして、横とか後ろよりもキーパスを差し込むことが皆無だったと思っています」
(後半、その辺を最も体現したのは小倉陽太選手だったと思うが?)
「途中から入った(岩崎)亮佑などは、そういう受ける意識を持っていたのかな、というところもあります、まずはマインドのところだと思いますね。どれだけ勝ち気に行けるか、『俺ら、できるんだよ。今まで俺らはこういうサッカーやってきたんだよ』ということをここで表現しようとできるか、というところだと思います」
(その部分を来たるリーグの試合でできれば、今日の負けにも意味があるのでは?)
「もちろんあると思います。まあ、そんなことじゃないんですけどね。本当は、今日やらなければいけなかったというのが正直な気持ちとしてありますし、悔しいですけど、今日できなかったこと、この前の大分(トリニータ)戦でも出ました。差し込めない、まずは奪われたくないというところがありましたので、もっとギラついて、自分が決定的な仕事をするとか、ゴール方向へプレーするとか、プレッシャーもそうですね。前からはめに行く、後ろに下がるのではなくてまずは踏み込んでプレスするんだよ、というところをやっていかないといけないのかな、と思っています」
【浦和レッズオフィシャルメディア】